子育てと教育

子育て本を300冊以上読んで思うこと

子育てははじめての経験だし、子育ての悩みは大きくなっても尽きることはありません。

それに子育てに正解というものもないし、何を成功とするかも人それぞれ。

だからこそ、知らないことを知りたいという欲求で、子育て本を300冊以上読み、現在も新刊が出るとチェックしています。

ある程度読んでみると内容もかぶっていることが多いし、全く反対の意見もある。そうなると、もうどれが正しいのか・・・と迷う人も多いはず。

そんな私が、子育て本300冊以上読んで思うことをまとめてみました。

子育て本、どうやって選んで、活かすの?

子育て例の1つという認識で鵜呑みにしない

子どもや親の性格、家庭環境も全て十人十色。
教育本は独自の価値観(知識や経験)をまとめたもので、全ての人に当てはまるわけでないからです。
親の考え方や捉え方、家庭環境、子どものもって生まれた特性によって合う教育法は違うから、色々な成功体験を語る育児書が存在し、それは各々事実だと思います。
また、同じ子どもでも年齢やタイミング、その時の精神状態で役立つ教育法は違ってくると思います。
有名な教育法でも正反対のことをいっているものもたくさんあります。
例えば、

  • 母乳は欲しがるまで与えるVS卒乳は1歳前後で
  • 単純計算など反復練習がよい(陰山メソッド)VS考える力をつける(宮本哲也さん強育論)
  • 読み書きそろばんを早期教育(ヨコミネ式)VS就学前に文字や数を教え込まない(シュタイナー教育)

それぞれに根拠があり、利点があると思います。しかしこれら一つを信じ込んで偏った考えになってしまうのは危険だと思います。親でも自分の子どもの才能や気質を見つけることは難しいと実感しますし、もしその子に本当にあっていない教育法だったとしたら、毒親にもなりかねませんよね( ゚Д゚)

あくまで子育て例の一つに他ならないということを忘れず、鵜呑みにしない。必ず自分の状況に照らし合わせ、自分にとって必要な情報なのかを判断して活用する

私は、自分に必要な情報をピックアップしたり、自分の思考を整理するのに役立ちました。
守破離の考え方で、まずは色々な事例を知って、それから自分なりの子育て軸を持つという考え方で読むと有効です。

ノウハウ本と思考についての本、両方を読む

樺沢紫苑先生の「読んだら忘れない読書術」の中に分散投資読書術(読書のポートフォリオを作る)という考え方があります。

分散投資読書術
  • 超短期投資…ネット情報、新聞、週刊誌
  • 短期投資…ノウハウ本(今すぐ活用できるノウハウ)
  • 中期投資…仕事術、勉強術についての本(働き方や勉強法)
  • 長期投資…思想、哲学、生き方についての本(心の栄養)

子育て本の中でも、短期投資の本と長期投資の本の両方を読むことをおすすめします。

なぜなら、今すぐ活用できるノウハウを知りたい場合は、離乳食の作り方、子どもの病気についてなどのノウハウ本を読むと必要な情報が得られます。これが短期投資の読書。今はネットでの口コミも多いですが、信ぴょう性を考えると一冊でも本から知識を得ることがよいでしょう。
現代は流行や新しい情報の更新も早いので、一過性の情報という認識で取り入れたいですね。

難しいのはしつけや教育本についてです。

一時的に知りたいノウハウのような短期投資以外に、自分の子育て軸を育てる長期投資となる子育て本を同時に読むことをおすすめします。なかなか自分がしっくりくる本に出会う確率も難しいですが、まず一冊読んでみると芋づる式に自分が惹かれる本にたどり着くと思います。

子育てに限らず、根本的な思考を育てることが重要ですね。

ビジネス書もいくつか読んでみると、結局伝えたいことは、論語や孔子など古くからの思想や哲学書に書かれていることだと気づきます。
それを、それぞれの著者のフィルターにかけられたり、新しい切り口でわかりやすく書かれたものが書店には並んでいると。
ですから、ノウハウ本ばかりに偏っている方は、自分が読みやすいと感じる本からまずは手にとって、長期投資の読書もおすすめします。

読んだら忘れない読書術|樺沢紫苑


科学的根拠(エビデンス)があるものがおすすめ

子育て本を読みあさっていた2015年に、中室牧子さんの「学力の経済学」という本に出会いました。

今ではエビデンスありきで語られる本が増えましたが、当時は個人の経験や主観的な教育本がメインだったの、データや統計学で根拠があるという点は目からウロコでした。

このようにデータで証明された内容だと取り入れやすいですよね。

その他に有名なマシュマロテストなどエビデンスに基づく子育て本です。

学力の経済学|中室牧子


幼児教育の経済学|ジェームズ・J・ヘックマン


マシュマロ・テスト 成功する子・しない子|ウォルター・ミシェル


脳科学や行動遺伝学の知識で、その子にあった方法を

こうやって、「個人の経験や主観的な教育本」から「科学的根拠のある子育て本」に行きつき、次に気になったのは、脳科学との関連性でした。「遺伝と環境はどちらの影響が大きいのか?」などもともと子どもが持っている性格には勝てないのか?という疑問も湧いてきました。

  • 結論は遺伝と環境の両方が影響しているということ。
  • 遺伝が強い分野(例えば、音楽や芸術の能力、身長や体質は遺伝の割合が強い。)
  • 家庭環境よりも外部環境(職場や学校での交友関係)の影響が大きい。→これを知って気が楽になる(^^;;
  • 遺伝の割合は大きいので、変えられる部分に力を注ごう

その子にあった環境を吟味して整えることが親としてできることなのかもしれませんね。

遺伝子の不都合な真実ーすべての能力は遺伝である|安藤寿康

日本人の9割が知らない遺伝の真実|安藤寿康

言ってはいけない|橘玲

遺伝か、能力か、環境か、努力か、運なのか|橘木俊詔

個性は遺伝子で決まるのか|小出剛

脳科学は人格を変えられるか?|エレーヌ・フォックス

まとめ

子育て本に出会ってから、芋づる式に他ジャンルの本に興味が出て、すべてが関連していることに気づきました。
子育てを通して親も成長できる子育て本はやっぱりおすすめです。

ただ、一個人の限られた経験を他の人にもあてはまるものとして考えてしまうという「一般化のワナ」にはまらないこと。経験は人それぞれで、そこから得たものも、役に立ったもの立たなかったものもみんな違っています。
自分の経験から得た成功例を「一般化」して、本として出版しているものなので、我が子の特性や環境に合わせて親子で納得できる知恵を試行錯誤してみる。これが子育て本の活用法なのかなと思います。唯一絶対の正しい子育て法なんてないので、親としては「環境」を整えてあげることくらいしかできないのかなとも感じます。

「自分なりの子育て軸」を持っていないと情報過多の世の中で迷ってしまします。親の考えに軸足がないと、子どもにも一貫したアドバイスもできないので(^^;;
そのためにも、興味のあるジャンルの本をどんどん読んで、思考を育てて、オリジナルの家訓をつくることもおすすめです。

 

ABOUT ME
Lifessence
1980年生まれ、2児子育て中のワーキングマザー。 アパレルデザイナーとして10年働いた後子育て両立を目指し、独学でライフスタイルに役立つ資格を取得しブログを立ち上げる。日常の暮らし(ライフ)の感性(センス)を磨き、本質(エッセンス)を探り、質の高い日常を送ることを目指し執筆中。